【最低賃金】上乗せ競争激化、政権介入

　最低賃金（時給）の２０２５年度改定は全国平均６６円増で決着した。近隣県との差や最下位の回避を意識し、国の目安に上乗せする競争が激化。政権が「目安超え」を求める異例の介入も地方をあおった。人件費がかさむ企業への配慮などから、労働者が恩恵を受ける時期は多くの地域で例年より遅れる。中小企業は経営不安を募らせる。

　▽チキンレース

　秋田は８月２５日、１０３１円への改定を決めた。この時点で審議を終えていた鳥取を１円上回り、最下位を脱した。

　近隣県は、長引く秋田の審議会を注視。青森は１０２９円、岩手は１０３１円、山形は１０３２円、全国最後となった福島は今月５日、１０３３円で決まった。秋田の審議会の臼木智昭...