米中枢同時テロを振り返るシャロン・プレモリさん=8月、米ニューハンプシャー州レバノン(共同)
 米中枢同時テロを振り返るシャロン・プレモリさん=8月、米ニューハンプシャー州レバノン(共同)
 2001年9月11日、航空機が突っ込み、炎上するニューヨークの世界貿易センタービル(ロイター=共同)

 2001年の米中枢同時テロから11日で24年。旅客機が突っ込み崩壊したビルにいて奇跡的に一命を取り留めた女性は、癒えない後遺症に苦しむ。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、がれきの粉じんの有害物質に起因する健康被害にも遭った。それでも記憶の風化が進む現状を危ぶみ、今なお謎が残るテロの真相解明を望み続ける。

 ▽偶然

 「1分1分の行動がいかに生死を分けたか、想像も及ばなかった」。2001年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービル北棟80階にある金融ソフトウエア会社で勤務中だったシャロン・プレモリさん(76)が8月下旬、東部ニューハンプシャー州レバノンの自宅で極限状態を振り返った。

 激しい...

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