かんらん石を多く含む玄武岩。東京大チームの研究で、CO2を短期間で鉱物化させることが分かった(辻健・東京大教授提供)
 かんらん石を多く含む玄武岩。東京大チームの研究で、CO2を短期間で鉱物化させることが分かった(辻健・東京大教授提供)
 辻健・東京大教授
 二酸化炭素の貯留イメージ
 結晶中の非架橋酸素のイメージ

 地球温暖化を進める二酸化炭素(CO2)を回収し、地下深くに貯留する「CCS」という技術が注目されている。CO2は通常、水に溶けてイオンとなってから岩石と化学反応を起こし、数百~千年ほどで岩石に含まれる鉱物の結晶の一部になる。その長い期間、漏れ出ないよう注意が必要だ。

 東京大の辻健教授(資源エネルギー工学)らのチームは、岩石内の特定の鉱物と反応すると、CO2が瞬時に鉱物化することをコンピューターシミュレーションで突き止めた。実験でも確認できれば、漏れの心配がない安定的なCO2貯留につながると期待される。

 ▽玄武岩

 研究のきっかけとなったのは、海外の貯留プロジェクトで、想定より短期間に鉱物化が進...

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