【創設８０年の国連総会】「運命共同体」再認識を

　１９４５年１０月２４日に国連が産声を上げたとき、今日の苦境を誰が予想しただろう。創設８０年の２０２５年９月、総会のハイライトとなる一般討論演説で、創設を主導した米国自身が国連の役割に疑問を呈した。

　トランプ米大統領は「国連の目的は何なのか？」と問いかけた上で、国連は巨大な力を秘めているのに、世界の平和と安全の維持をはじめ、任務達成への期待に「全く応えていない」と一方的に切り捨てた。

　国連が多くの問題を抱えているのは事実だ。世界で活動する職員は約４万４千人。肥大化した組織や重複する業務を効率化するため「国連８０」と銘打った構造改革を進めており、着実な策定と履行が求められる。

　ただ、国連が本来の...