
ウクライナ東部ドネツク州で、砲弾を運ぶウクライナ兵士=9日(ゲッティ=共同)
トランプ米大統領が23日、ウクライナは全てのロシア占領地を奪い返せると根拠なく主張した。直近まで「領土交換」の必要性を訴えていたが、主張を一転。自らが仲介してきた和平交渉が停滞する中、仲介役を欧州に押しつけて米国は手を引くための布石を打ったとの観測も流れる。真意を見極められない関係国は困惑する。
▽非現実的
「ウクライナは国を元の姿に戻し、もしかしたら、さらに獲得できるかもしれない! ロシアは深刻な経済難にある」。トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領とニューヨークで約1時間会談した直後、自身の交流サイト(SNS)にこう投稿した。
しかし、戦場の現実を直視すれば、全土奪還が可能との主張に...
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