
フリーマーケットの詰め放題コーナーで買い物する人たち=6日、東京都品川区
衣服購入額がバブル経済期から半減している。経済低迷が長期化して節約志向が強まる中、安価なファストファッションや古着人気も定着するなど消費者の価値観は様変わりした。一方、市場の縮小とともに国内の繊維工業の事業所数は6割減少。アパレル業界では苦境が続く。
▽憧れ
バブル期からの購入額の減少率が全国最大だった松江市。昨年1月、島根県に唯一残っていたデパート「一畑百貨店」が閉店した。元バスガイドの女性(63)は「憧れの場所だった。初任給で買ったスカーフが忘れられない」と振り返るものの「そもそも年を取ってから昔ほど服も買わなくなった」とも。よく利用していた女性(85)も「一畑がないのは寂しい」と漏らし...
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