
焼いた花器を取り出す原惣右エ門工房5代目の原聡さん=柏崎市大久保2
県指定無形文化財の蝋(ろう)型鋳金(ちゅうきん)を作る柏崎市大久保の工房「五代晴雲 原惣右エ門」の大久保鋳物が9月、新たに県伝統工芸品に指定された。柏崎市では初めての指定で、5代目の原聡さん(56)は「伝統的な技術や技法が認められ、とてもうれしい。指定を機に多くの人に関心を持ってもらえれば」と感謝している。
大久保鋳物は約650年前、大阪で活躍した鋳物師(いもじ)が、現在の柏崎市に移住して技術を伝えたことで始まった。作り手が減る中、原惣右エ門の工房では世代を超えて技法や技術が受け継がれ、現在では数少ない鋳物業を営む工房の一つとして知られている。
県伝統工芸品の指定は2022年に始まり、大久保鋳物で16品目となった。「主要な製造工程の大半が県内で行われていること」や、「伝統的に使用されてきたものを主な原材料として用いて製造するものであること」など、五つの指定要件がある。
工房は「蝋型鋳金」と「紫銅(しどう)焼き」の技術を追求している。...
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