個人の特性に応じた働き方の社会実装を目指して「Neuro-Workdesign Project」を開始

2025年10月30日
国立大学法人東北大学
dentsu Japan
株式会社電通総研

 

【発表のポイント】

● 国立大学法人東北大学とdentsu Japanと株式会社電通総研は、「dentsu Japan×東北大学 ダイバー
  シティワークモデル共創研究所※1」を設置します。

● ニューロダイバージェント人材※2が個々の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指し、個人の特
  性に応じた柔軟な働き方を可能にする職場モデル「Neuro-Workdesign」の社会実装を目指します。そ
  して、その実現に向けて「Neuro-Workdesign Project」を開始します。

 

【概要】

 国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市、総長:冨永 悌二、以下「東北大学」)と電通グループの国内事業を統括・支援するdentsu Japan(本拠地:東京都港区、代表者:CEO 佐野 傑、以下「dentsu Japan」)と株式会社電通総研(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩本 浩久、以下「電通総研」)は、2025年11月1 日に「dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所」(以下「本研究所」)を東北大学川内キャンパス内に設置し、活動を開始します。

 本研究所は、産学連携による実証・開発を通じて、多様な特性があるニューロダイバージェント人材(ADHD〔注意欠如・多動症〕やASD〔自閉スペクトラム症〕などの発達特性※3のある人材を含む)の能力を引き出し、企業での活躍を実現するための新たな職場モデル「Neuro-Workdesign」の社会実装を目指します。そして、その実現に向けて「Neuro-Workdesign Project」を開始します。まずは、AIやテクノロジーなどの高度IT領域で、人材活躍のための実証とワークモデルの策定を進め、その後より広い領域への拡大を目指します。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510287889-O5-6FBZdQ01

(後列左から)電通総研:飯田ビジネスプロデューサー*(*東北大学特任講師 兼務)、力マネージャー*、東北大学:本多准教授、舘田特任教授

(前列左から)電通総研:尾下ユニット長(東北大学特任教授 兼務)、dentsu Japan:口羽チーフ・ダイバーシティ・オフィサー、東北大学:青木理事、遠山理事、小嶋教授

 

【詳細な説明】

 近年、ニューロダイバーシティ(神経多様性)という考え方が注目されています。これは、脳や神経に由来する個人の特性の違いを「欠如」や「優劣」ではなく、人間の自然な多様性として捉え、互いに尊重し、その違いを社会の中で生かしていこうというものです。この特性は、あり・なしで単純に区別されるものではなく、連続した幅(スペクトラム)のあるグラデーションの様相を呈し、すべての人はその中のどこかに位置します。

 しかし、組織人に従来求められてきた「9時〜17時勤務」「出社必須」などの定型的な働き方に常時対応することが難しく、就労の場での困難に直面する方もいます。一方で、特性を固有の強みとして活用し、成果を出す方もいます。こうした差異には、個人の神経多様性への自己理解や周囲との相互理解の状況、また個人と就労環境との組み合わせが影響していると考えられます。

 本研究所では、こうしたニューロダイバーシティの観点から、誰もが個性や能力を発揮しやすい環境の構築を目指し、従来の働き方の枠に収まらない人材が、その意欲とスキルを生かして活躍できる新たな職場モデル、「Neuro-Workdesign」の開発とその社会実装に取り組みます。

 

【本研究所の概要】

1.名称:dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所

2.活動内容:

(1)ニューロダイバージェントの特性に合わせた多様な働き方を可能とするプラットフォームの企画・開
    発

(2)ニューロダイバージェント人材の働きづらさを永続的に解消するための組織開発モデルの策定

(3)開発したプラットフォームと組織開発モデルをdentsu Japan内で展開

(4)宮城県仙台市を起点に、「ニューロダイバージェント人材の活躍」×「AI/DX関連ビジネス」の産業
    成長基盤を構築
3.運営体制:

(1)運営総括責任者 尾下 充利 特任教授(株式会社電通総研)

(2)運営支援責任者 小嶋 秀樹 教授(東北大学大学院教育学研究科)

4.設置場所:東北大学文科系総合研究棟

5.設置期間:2025年11月1日~2028年10月31日

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202510287889-O6-Gp0rvT86

 

【用語解説】

※1 共創研究所

東北大学が2021年4月に創設した「共創研究所」は、東北大学の資源を最大限に活用し、幅広い共創活動を行うことで、分野融合による新しい価値の創造や、社会課題の解決につなげることができる制度。これまでに44拠点(2025年10月29日までの累計)が設置されている。

 

東北大学 産学連携機構WEBサイト(共創研究所)

https://www.rpip.tohoku.ac.jp/jp/information/kyoso_kenkyu/

 

※2 ニューロダイバージェント人材

ここでは脳の認知や情報処理の特性が平均と離れた自閉スペクトラム症やADHDなどに診断された方々、また医療的な診断がなくても類似した傾向や特性がある方々を指す。こうした特性の違いを「障害」ではなく「多様性」と捉える考え方がニューロダイバーシティ(神経多様性)の基本。今日では、多様な特性がある人々の生き方・働き方を尊重し、教育現場や職場、社会での包摂的な環境を設けることが重要視されている。

 

※3 発達特性

発達特性とは、認知や感覚などでの神経発達的な個人差を指し、思考や行動における多様性の一部を構成している。発達特性の違いで、コミュニケーション、情報処理、学習に各人の特徴的なパターンが現れる。本リリースでは、このような特徴を個々人の特性と捉えることから、「発達障害」ではなく「発達特性」と表現する。

 

〈dentsu Japanとは〉

 dentsu Japanは、グローバルに展開する「dentsu」の4事業地域のうち、世界最大のエージェンシーである株式会社電通を含む国内約140社による事業を統括・支援する機能を有すると同時に、日本の事業ブランドを示しています。同ブランドを支える約2万3000人の従業員がさまざまなソリューションを統合し、提供価値の最大化を図っています。dentsu Japanは「Integrated Growth Partner」として、クライアント・パートナーの成長、ひいては社会の持続的発展に貢献していきます。

 

〈本リリースにおける「障害」の表記について〉

 当事者団体や有識者の中でも議論が続いており、複数の意見が存在しますが、 本リリースにおいては共同通信社発行の「新聞用字用語集(第14版)」にのっとって表記しています。具体的なソリューションの提供においては、ご協力いただく当事者や専門家、顧客のご意見を踏まえた上で、最も適切と考えられる表現を使用しています。

 

                                              以上