
白新線を走行するきらきらうえつ=2019年08月、新発田市で撮影
2001年11月23日から週末を中心に新潟駅と山形県の酒田駅(たまに秋田駅まで延伸)の間で運転していた快速列車「きらきらうえつ」が、9月29日の運行を最後におよそ18年の歴史に幕を下ろします。
JR東日本の紹介ページを見ると、きらきらうえつは「乗って楽しい・降りて楽しい」というキャッチコピーで紹介されています。そのキャッチコピーの通り、四角を多様に織り交ぜ、まるでパッチワークのようなデザインの車体は、乗る前から楽しさを演出していましたし、車内でも沿線各地の観光協会の人が乗車して、乗客に観光地をPRするのが風物詩でした。また、日本海の眺めが楽しめるよう海側に向けてボックスシートが設けられた車両もありました。
きらきらうえつで使用されている車両は、国鉄時代の特急の代名詞的な車両でもある485系がベースとなっています。「クリーム色の下地に赤色の帯」というデザインでピンとくる方も多いのではないでしょうか。きらきらうえつの車両は改造が施されているため、外観は大きく変わっていますが、モーターなどといった部分に国鉄時代の流れを残しながら、令和の時代まで活躍を続けてきました。
しかしそれらの車両は、いずれも製造から40年以上が経過し、残念ながら老朽化が進んでいます。引退後の車両の処遇についてJR東日本は「廃車にする方針」と、2018年11月14日の新潟日報の記事では報じています。一方、8月23日にJR東日本新潟支社からリリースされた「秋の増発列車のお知らせ」では、きらきらうえつの車両が臨時列車として使用されることが明らかになっています。少しでも長く「現役」を続けてもらえればと思います。
そして、きらきらうえつの後を引き継ぐ新しい観光列車「海里」が10月5日から登場します。先日、聖籠町の新潟トランシスで製造された4両編成の車両が、新潟市東区の新潟車両センターまで移送されました。すでに羽越本線や信越本線のほか、越後線でも試運転が行われているようで、インターネット上では偶然目撃した人の報告や、試運転の模様を撮影した人たちの写真や動画を見ることができます。

新しい観光列車「海里」の線路への設置作業=2019年08月、聖籠町で撮影
JR東日本の紹介ページでは、海里の車両デザインについて、『「夕日」と「新雪」のダイナミックな融合をグラデーションで 表現し、新潟の新たな風景の創出となるようなデザインとした』と記されていました。
スタイリッシュなデザインの「海里」が、羽越本線沿線の観光地に新しい風を吹き込んでくれることを期待したいと思います。
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