
道なき山での山行や体験を記した書籍を発刊した田中正彦さん=飯豊連峰の頼母木小屋
新潟県新発田市の会社員、田中正彦さん(58)が自身の山行をつづった書籍「新潟の静かな山」「新潟の道の無い山」の2冊を発刊した。人がほとんど入らない山で、やぶだらけのルートをたどる苦労や、山頂を独り占めする満足感を生き生きと記録した。周囲に他人がいない山々には、「風の音、木の揺れる音だけを聞く楽しさがある」と話す。
田中さんは下越山岳会の会員。夏場には飯豊連峰の山小屋の管理人を務めたり、建設会社社員として山小屋を修繕したりと山仕事もこなす。
山行を続けるうちに、「人がいると気を遣ってしまう」からと、喧噪(けんそう)を嫌って一般の登山道とは異なるルートに挑戦するようになった。今では「先行者がいる...
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