イラスト=デジタル・グラフィックスセンター 高橋佐紀

 乳歯が抜けて永久歯が生えてきたら…あれ? わが子の歯並びを心配する保護者も少なくないのではないでしょうか。子どもの歯科矯正について専門家に聞きました。

Q 理想的な歯並びとは。

A 上下の歯の真ん中が合っている、前歯のでこぼこがなく並んでいる、奥歯のかみ合わせがしっかりしている、上の前歯が下の前歯に少しかぶさっているという状態です。

Q 歯並びやかみ合わせが良くないと、どういった不都合が生じますか。

A 見た目が悪い(審美面)、かみ切れない、口が閉じにくい(機能面)、歯磨きがしにくい(衛生、健康面)、正常なあごの成長ができない(成長面)、コンプレックスを抱く(精神面)などの問題の可能性が出てきます。

Q 子どもが歯科矯正するタイミングは。

A 治療は成人になってから始めることも可能ですが、子どもの治療は、小学校低学年の7〜8歳ごろに治療(一期治療・半年〜1年)することで、大人になってからの負担を減らすことができます。すべて永久歯に生えかわった後の仕上げの治療(二期治療・2〜3年)と組み合わせて2段階で行うことが多いです。口の中の状態によって始めるタイミングはさまざま。それぞれの状態に合わせて医師が判断しますので、相談は早い方が良いです。

Q 費用面も気になります。

A 一期治療は30万〜50万円、二期治療は50万〜70万円程度で、ほとんどの場合、保険が利かないため費用は高額になります。ただ、長い目で見たとき、歯科矯正によって、口元の外見の美しさだけでなく、入れ歯やインプラントにすることなく、自分の歯で長く生活できる可能性が高まります。心身ともに良い状態で過ごしてもらうことが理想です。気になる方は、一般歯科でも矯正歯科でも、まずは相談をしてみてください。

(「矯正歯科さくらぎクリニック」の長沼一雄院長に聞きました)

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