イラスト=デジタル・グラフィックスセンター 高橋佐紀

 子どもが朝なかなか起きてくれないと悩む保護者も多いでしょう。質の高い睡眠を十分に確保するにはどうすればいいか、専門医に聞きました。

Q 子どもが寝不足になる原因は何ですか。

A 就寝前にスマートフォンやテレビなどメディア媒体の光を目にすることで寝付きが悪くなっているケースがあります。遅くまで勉強や部活に打ち込んだり、保護者の帰宅が遅かったりして、就寝が遅くなることも多いです。

Q 朝すっきり起きてもらうにはどうしたらいいですか。

A 生活のサイクルが大事です。朝決まった時間に起きて日光を浴び、朝食をとる。日中にしっかり活動し、夜も一定の時間に寝ることです。朝起きるのがつらい日があっても、サイクルを続けていれば改善されるはずです。

Q 子どもに必要な睡眠時間はどのくらいですか。

A 目安として1、2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間、6〜13歳は9〜11時間と言われます。成長ホルモンは深い眠りの時に多く分泌されます。睡眠不足だとイライラしたり、学業に悪影響が出たりする恐れがあります。体はもちろん、心の成長のためにも十分な睡眠が不可欠です。

Q 子どもが朝起きられない場合、保護者はどう対応したらいいですか。

A 原因が何か、子どもと一緒に考えましょう。学校に行きたくないなど心理的背景がある場合もあります。メディア媒体を使っていて夜更かししているならば、就寝前の利用は控えさせるなど使用を制限することも手です。朝に寝室のカーテンを開けて光を取り入れるのもいいでしょう。ただ、睡眠時間が十分でも眠そうにしている場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いや、自律神経の調整が乱れている可能性があるので、医療機関に相談してください。

(国立病院機構西新潟中央病院小児科の小林悠医長に聞きました)

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