
日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長(47)が12月14日、新潟県を訪れ、新潟日報社の単独インタビューに応じた。かつて日本代表の主将として活躍した宮本会長は9月から全国を視察し、新潟県が16府県目。Jリーグがリーグ戦の開催方式を2026年に「秋春制」へ移行することを踏まえ、寒冷地のクラブへの支援策などを聞いた。(運動部・片野透)
-全国を回っている理由は何ですか。
「地方は少子化などの課題を知る場所と考えている。人口減少が進んでいる地域では、学校の部活動をどう地域移行していけばいいかと感じている地域が多かった」
-J1アルビレックス新潟の印象は。
「YBCルヴァン・カップの決勝を現地で見た。残念ながら裏目に出た部分もあったが、丁寧に後ろから組み立てるサッカーをぶれずにやり続けていた。サポーターの歌声も鳥肌が立つぐらいのスケールだった」
「新潟駅で歩いていると、アルビの試合について会話をしながら歩く若者とすれ違った。サッカーが近くにあると感じた」
-注目している選手はいますか。
「関東の社会人リーグでプレーしていたFW長倉幹樹選手が、ルヴァン杯の決勝の舞台に立つのはかなりのサクセスストーリーだと思う。泥くさいプレーもできるし、下のカテゴリーの選手にとって励みになる」
-秋春制を導入する意義を改めて教えてください。
「選手としても指導者としても感じたが、夏場の試合はサッカーのクオリティーが落ちていた。(移籍が活発になって)選手の移籍金がこれまで以上にクラブに入るようにするため、欧州などとシーズンの時期をそろえる必要もある」
-新潟は最後まで秋春制の導入に反対しました。寒冷地への支援をどのように考えていますか。
「屋内の施設や、屋根付きのピッチなど雪国の施設をよくするためにJリーグと一緒になってやっていく。JFAには金銭的な補助ができるように『特定資産』があり、計画的に支出することは可能性として十分ある。26年に全てが整うとは思わないが、課題にできるだけ早く対応していくことが大事だ」
-新潟県から日本代表を生み出すにはどうすればいいでしょうか。
「指導者のレベルアップにも取り組んでいかないといけない。まだ日本と欧州のライセンスに互換性はないが、指導者も海外に行くようになれば世界が広がる。まだそこを見ている人は少ない」
◎宮本恒靖(みやもと・つねやす)...























