イラスト=デジタル・グラフィックスセンター 高橋佐紀

 わが子がいじめの加害者となった場合、保護者はどう行動すべきなのでしょうか。適切な対応を生徒指導の専門家に聞きました。

Q 学校から「お子さんがいじめをしていた」と電話がありました。どうすればいいですか。

A 動揺するかもしれませんが、まずは学校側の説明をよく聞いてください。学校は複数の子に聞き取り、事実を確認した上で保護者に連絡しています。メモを取りながら聞くと冷静になれますし、振り返ることもできます。電話だけでなく、対面で説明を受けられるとなお良いでしょう。

Q 子どもにはどう話を切り出せばよいですか。

A 頭ごなしにしかることは避け、「こんな連絡があったけれど、どんな状況だったの?」と具体的事実から尋ねて、理由や気持ちも丁寧に聞きましょう。話してくれたことに対しては感謝を伝え、子どもがいじめと自覚していない場合は「どういう点がなぜ良くなかったのか」を子どもが認識できるように保護者も一緒に考えましょう。学校の説明と異なる点は、学校に具体的に伝えてください。

Q 再発防止のためにできることは。

A 毎日少しずつでいいので、ご飯やお風呂の時など、親子でコミュニケーションする時間を決めて取り、困ったことなどを話しやすい関係性と機会を作ってください。また、子どもの全体像は家庭だけでは把握しきれません。学校とも普段から連絡帳や手紙などで情報共有しておくと良いでしょう。

Q 被害者との関係修復はどのように進みますか。

A いずれ学校から解決に向けた方向性が示されます。その中で、教職員ら第三者が立ち会いのもと謝罪の場が設けられることもあるでしょう。学校が示した方向性に納得できない場合は、自治体の相談窓口など外部機関を利用することもできます。

(新潟大学教職大学院の酒井武志准教授に聞きました)

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