2024年12月に開かれた「ミニ!ミニしばた」で、仕事や納税を模擬体験した子どもたち=新発田市
2024年12月に開かれた「ミニ!ミニしばた」で、仕事や納税を模擬体験した子どもたち=新発田市

 行政手続きや就労の模擬体験を通して子どもたちに理想的な社会を考えてもらうイベント「こどものまち」が、新潟県新発田市で初めて開催された。さまざまな体験を通して社会参画の仕方を学ぶ世界的な取り組み。子どもたちは、まちの住民として働き、手にした通貨でゲームをするなど、体験を楽しんだ。

 市が毎年開催する「しばた人権フェスティバル」の一環で、「こどものまち ミニ!ミニしばた」と題して2024年12月上旬に開催された。企画したのは敬和学園大学の大岩彩子准教授。市民の権利と責任を理解し、積極的に社会参加する「シティズンシップ教育」を研究している。

 「こどものまち」は、子どもたち自身で小さな都市を運営するイベントで、ドイツ・ミュンヘンで1979年に「ミニ・ミュンヘン」として初めて開催された後、世界各地に広がり、日本でも300カ所以上の「ミニ」のまちが誕生しているという。

 県内では23年夏、大岩准教授らが新潟市で同様のイベントを初めて開き、新発田市は2番目。開催規模は数日から1カ月にわたるなど地域によってさまざまだが、今回は1日限りということで、さらに「ミニ!」開催とした。

 新発田市中央町5の市生涯学習センターで開かれた「ミニ!ミニしばた」には、市内の小学生ら約300人が来場。敬和学園大の学生がボランティアで参加した。

 子どもたちはまず、住民登録をして「市民証」を受け取り、ハローワークで仕事を探した。市民登録や市子ども基本条例について説明する市役所、大人の違反者を取り締まる警察、両替や給料支払いをする銀行の三つの中から職場を選び、30分間それぞれ働いた。

 銀行で働いた女子児童(8)は「算数が好きだから銀行で働いてみたかった。両替の仕事は楽しかった」と話した。

 ミニしばたの通貨は「しば」で、1しばが100円に相当する。子どもたちは...

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