
バルカナイズドファイバーを活用した安達紙器工業のオリジナル製品=長岡市東蔵王2
優しい手触りと強い耐久性を併せ持つ特殊な紙素材を使ったオリジナル製品を、新潟県長岡市東蔵王2の安達紙器工業が展開している。デザイン性も兼ね備えたバッグや靴べらが人気で、神社のお札を供えられるお札立てなど、ユニークな商品も提案している。
使用する特殊紙「バルカナイズドファイバー」は、厚さ0・1ミリの原紙を何枚も重ね合わせている。100年以上の歴史があり、近年はプラスチックに代わる材料としても注目されている。国内では北越コーポレーション(長岡市)の子会社が生産している。
安達紙器工業は相手先ブランドによる生産(OEM)が売上高の大半を占めているが、加工技術を生かした独自製品の開発にも力を入れてきた。ファイバー素材のコレクションバッグは、かわいらしい見た目と軽さや丈夫さ、機能性が受け、化粧品や大切な物の収納用として長年支持されている。
にいがた産業創造機構(NICO)の商品開発プロジェクト「百年物語」にも参加。2019年に発売した靴べら「ペーパーメイド シューホーン」は、ファイバーにひねりを加えたシンプルなデザインが好評で、握った手にもなじみやすい。年々販売数を伸ばしており、累計は1000本以上だ。
22年に開発したお札立て「あわせかみ」は...
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