英国推理作家協会主催の文学賞・ダガー賞の翻訳部門で、日本の作家として初めて、王谷晶さんの「ババヤガの夜」が選ばれた。英国では近年、日本の小説の翻訳版が相次ぎ出版されており、その流れを象徴する快挙。他の新進作家の海外進出を促す期待も高まる。

 ダガー賞はミステリー分野の世界的な賞。「歴史」「スリラー」などの部門があり、このうち翻訳部門は英語以外の言語から翻訳された作品が対象だ。今回は最終候補6作に「ババヤガ」と、柚木麻子さんの「BUTTER」の2作が入った。

 「BUTTER」は、既に英文学賞「ブリティッシュ・ブック・アワード」のデビュー・フィクション賞などに選ばれ、英国で40万部を超える大ヒット...

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