立正大経済学部の村田啓子教授
 立正大経済学部の村田啓子教授

 参院選に向けて、各政党は物価高対策を主要テーマとして掲げている。物価は日々の暮らしに直結する問題であり、有権者への訴求力も高い。とりわけインフレ率が日銀の目標である2%以上となる状態が3年超も続き、国民は負担を感じているのが実情だ。

 政府は賃上げを重要政策に位置付けてきたが、賃上げのペースが物価上昇のペースに追い付かず、実質賃金は下落傾向が続く。このため、景気の柱である消費は力強さを欠いている。

 こうした状況で、物価高を参院選のテーマとするのは自然な流れだ。国民にとって理解しやすく、身近な論点を掲げることは選挙戦略としても有効だろう。昨年秋の衆院選で野党の国民民主党が躍進した背景には、「年収...

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