
柳沢協二・元内閣官房副長官補
戦後80年の節目を迎え「平和国家日本」がいかなる世界を望み、何を発信するのか、主体性が問われている。国際政治が二重基準で動いている現実は否定しない。相手を見て言い分を変えること自体は、恥ずべきことではないかもしれない。だが、平和国家を掲げながらトランプ米政権のイラン攻撃を批判できない日本は、世界から見れば「えたいのしれない国」に映るだろう。
米国によるイランの核施設空爆を受け、日本政府は「イランの核開発は阻止されるべき」ことを基本に「対話を模索しつつ問題の早期解決を目指す」米国の基本的姿勢に一定の理解を示す。日米が抱える諸課題を踏まえ、米国を非難できないが故の苦渋の判断だと思うが、言わないこ...
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