
元全国知事会長の山田啓二氏
参院選だからこそ給付金や消費減税といった刹那的な公約より、直面する最大の危機、少子高齢社会への対応や防災への対策を永続的な観点から論ずるべきではないか。
振り返ると、小泉政権が進めた国と地方の財政を巡る「三位一体改革」により補助金、地方交付税が大幅削減され地方自治体側が疲弊した。その怒りが2009年の政権交代の一因となった。
この反省から、安倍政権の地方創生は「地方財政の健全化・回復」「東京一極集中の是正と人口減少対策」という二兎を追うことになった。
アベノミクスの効果を及ぼそうと地方創生交付金などをつくり、地方への予算を増やした。財政は安定化したものの、少子化対策の効果は全く出ていない。人...
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