
UNRWAの清田明宏保健局長
ガザは殺りくの場(キリングフィールド)となってしまった。
先日、ガザにいる国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の同僚ソンドス・アブドさんと交流サイト(SNS)でチャットをした。彼女の10代半ばの息子さんは1型糖尿病で、生きるために毎日インスリンが必要だ。
しかし、長く続く物資搬入の制限により、ガザではインスリンのような命に関わる薬剤の不足が深刻となっている。息子さんの体調とインスリンの入手状況を尋ねたところ、返ってきた言葉に思わず涙がこぼれた。
「生きていくのが本当に大変で、日々を乗り越えること自体が難しい」とアブドさんは言った。「今はインスリンはある」とのことで、少し安心したが、そ...
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