トランプ米大統領(左)とプーチン・ロシア大統領(AP=共同)
 トランプ米大統領(左)とプーチン・ロシア大統領(AP=共同)
 プーチン・ロシア大統領と握手するウィットコフ米特使(左)=4月11日、サンクトペテルブルク(ロシア大統領府提供)
 ホワイトハウスで会談したトランプ米大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領。激しい口論となった=2月28日(ロイター=共同)
 5月16日、トルコ・イスタンブールで3年ぶりの直接協議に臨むウクライナ代表団(左)とロシア代表団(右)(ゲッティ=共同)
 ウクライナを巡る米ロの動き

 ウクライナ戦争終結に向けロシアとウクライナの仲介に動いたトランプ米大統領は、プーチン・ロシア大統領の巧みな懐柔で対ロシア追加制裁を封じ込められ、仲介は行き詰まった。トランプ氏の自己陶酔的な性格と大きな利益を生むビジネスへの執着につけ込んだロシアの工作を検証する。

 ▽米欧に亀裂

 2期目のトランプ氏は、ウクライナ戦争の責任を同国のゼレンスキー大統領とバイデン前米大統領に押し付け、ロシアの侵略、戦争の犯罪は問わない立場。早期終結を豪語した根拠は「戦場で優位なロシア」の要求をウクライナに受け入れさせる“現実主義”だった。

 2022年の侵攻以来、ロシアを批判して経済制裁し、武器・資金供給でウクライナを...

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