
退陣する意向を表明した石破首相の記者会見=7日午後6時3分、首相官邸
石破茂首相が退陣を決断した。自民党総裁選の前倒し要求は過半数に達しないと当初は見立てたが「石破降ろし」の拡大は誤算だった。党四役全員が辞意を伝え、最後は重鎮らに勇退を促され、孤立を深める。最終手段で模索した衆院解散に踏み切る余力はなく、8日に前倒しの是非が決まる直前、無念の退場を選んだ。舞台裏を検証した。
▽引導
「もう総裁選前倒しの手続きを進めない方がいい」。6日夜、公邸。首相と急きょ向き合った小泉進次郎農相が進言した。菅義偉副総裁は「これ以上、党が分断するのは避けてほしい」と言い添えた。8日の前倒しの意向確認では過半数を占める展開が有力視され、自発的な辞任を促した。
首相は「まだやるべき...
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