レソトの首都マセルにある縫製工場。閑散としていた=7日(共同)
 レソトの首都マセルにある縫製工場。閑散としていた=7日(共同)
 レソトの首都マセルにある縫製工場で、米国向け製品の検品をする従業員=7日(共同)
 レソトの首都マセルで取材に応じるセリレ貿易相=7日(共同)
 レソトの首都マセルにある縫製工場の前で、仕事を求めて集まる人々=8日(共同)
 レソト・マセル、南アフリカ

 照明が落とされた縫製工場は閑散としていた。連なるミシンは音も立てず、静まり返る。トランプ米政権に世界最高水準の「相互関税」50%を突きつけられたアフリカ南部の小国レソト。米国を顧客とする繊維産業が経済を支えてきたが対米交渉は難航し、注文激減と操業停止が相次ぐ。従業員は一時解雇され「なすすべがない」と嘆く。

 7月上旬、首都マセルの工業団地の縫製工場を訪れると、止まった製造ラインの横でTシャツの箱詰めが進んでいた。経営幹部のラヒラ・オマルさん(30)は「この出荷を終えれば完全に操業停止だ」と声を落とした。

 レソトの2024年の対米輸出総額は2億3700万ドル(約352億円)で繊維製品が大半だ。国...

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