日本総研主席研究員の河村小百合さん
 日本総研主席研究員の河村小百合さん

 参院選の結果、自民、公明両党は衆参両院で少数与党状態に陥った。最大の争点の一つが物価高対策で、与党側は給付金で対応、野党側は消費税率の引き下げを何らかの形で行う点が共通していた。

 わが国の物価情勢はもはや主要国中最悪の部類であり、しかも長期化している。国民から悲鳴が上がるのも無理はない。

 一部の野党が、消費税の減税や廃止を財源度外視で声高に唱える傍ら、今春以降は超長期国債金利の上昇が目立つようになった。財務省は早くも6月に、超長期国債の発行額を減額し短期国債などの増発に振り替える、国債発行計画の変更を余儀なくされた。世界的にみても異例で、財政運営がそれだけ追い込まれつつあることを示す。

 財務...

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