話題作の刊行が続く中「ジムに通い始めました。書き続けるのも体力勝負」と話す高瀬乃一さん
 話題作の刊行が続く中「ジムに通い始めました。書き続けるのも体力勝負」と話す高瀬乃一さん
 話題作の刊行が続く中「ジムに通い始めました。書き続けるのも体力勝負」と話す高瀬乃一さん
 「往来絵巻」を刊行した高瀬乃一さん

 貸本の山を背負ったヒロインが本を巡る事件をさっそうと解決する人気時代小説「貸本屋おせん」の著者・高瀬乃一さんが続編「往来絵巻」(文芸春秋)を刊行した。「自分の中にパラレルワールドをつくって想像した」江戸の街で、活気に満ちた出版界や下町の人々が鮮やかに動き出す。

 何より本が好きなおせん。「読み継いでもらえるよう、守っていく」が信念の粋な性格で、女手一つで貸本屋を営む。新作では、奉行所の失態をあざ笑うように現れる落書きの真相や、神田明神祭の絵巻から消えた人物の謎を追う。文字を読めない盗人が知った本を読む喜びや、卑劣な商人へのおせんの胸のすく一喝など、全5話は人情味と痛快さにあふれている。

 腰を曲...

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