元北海道大地震火山研究観測センター准教授の西村裕一氏
 元北海道大地震火山研究観測センター准教授の西村裕一氏

 30日午前、ロシア・カムチャツカ半島付近でマグニチュード(M)8・7と推定される巨大地震が起きた。海と陸のプレートが接する境界である千島海溝では想定される規模だ。同じ海溝沿いにある北海道東部でも、今回のような地震は起き得るので、人ごとではないと捉えて備える必要がある。

 注意すべきなのは、1952年に今回と近い海域でM9・0の地震が起きていること。同じ場所で100年以内にM9級が繰り返したのか、近接する二つの場所でそれぞれM9級が起きたのかは、今後の調査や検討が待たれる。

 私は2006~07年、今回の震源に近い千島列島北部のパラムシル(幌筵)島でロシアの研究者らと共に津波の痕跡を調べたことがあ...

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