「私にとってアートとは人への優しさ」と語る三浦永年さん(左)とティニ・ミウラさん
 「私にとってアートとは人への優しさ」と語る三浦永年さん(左)とティニ・ミウラさん
 「私にとってアートとは人への優しさ」と語る三浦永年さん(左)とティニ・ミウラさん
 宮城芸術文化館内で寄り添って立つ三浦永年さん(右)とティニ・ミウラさん。後方にはティニさんが制作した壁画「天地創造」が展示されている

 宮城県気仙沼市にある「宮城芸術文化館」は、東日本大震災で被災した製材所の倉庫だった建物を改装した小さな美術館だ。本の装丁などに使うマーブル紙の制作・収集家の三浦永年さんが、世界的な製本装丁家の妻ティニ・ミウラさんと共に2023年にオープン。「この街をアートで元気にしたい」と夢を語る。

 三浦さんは同県登米市出身。早稲田大を卒業後、政治家を志し英ロンドン大大学院に留学した。「地盤も看板もないから箔を付けようと思った」と笑うが、大学の近くにあった大英博物館やナショナルギャラリーを巡るうちに「政治より美術に魅了された」。欧州各地の美術館や図書館も訪れ、多くの希少本を目にし、次第に大理石模様のマーブル...

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