長谷部恭男さん
 長谷部恭男さん

 7月20日の参院選で与党は大敗し、衆参両院で過半数割れに追い込まれた。物価高に有効な対策を打てず、政治と金の問題は先送り、選択的夫婦別姓も家族の一体性を損なうという意味不明の理由で反対する一方、不要不急の憲法改正や学術会議「改革」にうつつを抜かしている様子を見れば、この人たちに「安定」した政権運営を委ねるわけにはいかないと考える人は多かったであろう。

 ▽赤字国債には限界

 米の需給を見誤った挙げ句に、米価対策と称していざというときの備蓄米の在庫一掃大売り出しを進めるようでは、緊急事態に備えるための憲法「改正」という看板の本気度も見え透いてくる。民意は「安定」よりも「不安定」を選んだ。

 とはいえ...

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