
試料容器に入ったデブリ。黒っぽい小石状に見える(日本原子力研究開発機構提供)
廃炉作業が進められている東京電力福島第1原発2号機で、昨年11月と今年4月の2回、溶融核燃料(デブリ)の試験的な取り出しが行われた。採取したのは計1グラム未満とごく微量だが、2011年3月の原発事故発生後初めて。採取試料の情報は、廃炉への最大の難関であるデブリの本格的な取り出しに向け、工法などの検討材料となるほか、炉心溶融の実態解明の手掛かりになるとの期待から、分析結果が注目されている。ただ、実際の本格取り出しまでには課題も多く、廃炉の完了時期は不透明さを増している。
▽遠隔操作
デブリとは、事故で溶け落ちた核燃料が、原子炉の構造物と混じって冷え固まったものだ。炉心溶融を起こした1~3号機で...
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