1970年代に製作された「チャガタ」の仮面=7月、スイス・ブラッテン近郊(共同)
 1970年代に製作された「チャガタ」の仮面=7月、スイス・ブラッテン近郊(共同)
 「チャガタ」の仮面。「スパイダーマン」に着想を得た作品(左端)もある=7月、スイス・ブラッテン近郊(共同)
 飲食店の壁に飾られた「チャガタ」の仮面=6月、スイス・ブラッテン近郊(共同)

 スイス南部ブラッテンでは冬になると「チャガタ」と呼ばれる祭りが催される。木彫りの恐ろしい形相をした仮面をかぶって人々を驚かせる奇祭で、秋田県の「なまはげ」によく似ている。

 起源については、谷に住む盗賊の変装や教会の演劇に出てくる悪魔など諸説ある。始まった年代も定かではなく、記録では1860年ごろまでさかのぼることができる。

 独身男性の求愛儀式という側面を持つ時期を経て、今では女性も参加できるようになった。仮面と毛皮のポンチョ、大きな鈴を身に着け、雪の降る夜中の街を練り歩く。

 ブラッテンはアニメ「アルプスの少女ハイジ」の世界を思わせる風光明媚な山間の集落だ。だが、5月に氷河が崩落。ほぼ全域が岩...

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