
小田急の8000形「8561」(左)が、西武の8000系「8103」になった。よく見ると、ブラックフェイスがライトの上ぎりぎりまで広がり、車体番号がそこに移動している
大手私鉄間の相互乗り入れ、直通運転はもはや日常の光景だが、現役バリバリの車両が「完全移籍」するのは異例だろう。今年5月、小田急の「8000形」が装いも新たに西武「8000系」としてデビューした。小田急多摩線ユーザー歴20年の筆者は、新天地で活躍する様子を見ようと西武線を訪問した。
西武グループは、グループ全体で二酸化炭素(CO2)排出量を2030年度までに18年度比で46%削減する目標を設定している。モーターの回転速度を細かく調整して消費電力を抑える「VVVFインバータ制御」の車両を導入し、VVVF化100%を目指すという。省エネ性能が高い車両の新造と並行して、古い車両をより低コストで置き換...
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