[1~3区]民意を生かせぬ/政権交代に利点

 小選挙区比例代表並立制について、1〜3区の各区で「変えるべきだ」とする意見があったほか、「このままでよい」「どちらともいえない」との回答もみられ、見解が分かれた。特に少数政党の候補者は「民意が届かない」と小選挙区制に強く反発している。

 

 1区は石崎徹氏(日本維新の会)だけが「変えるべきだ」と主張。選出議員が多ければ地域の声も届きやすいとして、選挙区から複数当選する中選挙区、大選挙区制への転換を求める。「選挙区で1人が2票を投じる形はどうか。どちらか1票は死に票になりにくくなる」と提案した。

 ほかの2候補はいずれも「どちらともいえない」。

 塚田一郎氏(自民)は政権選択ができるメリットと、幅広い民意が反映できないデメリットがあると説明。ただ、極端に議席数が増減する場合があるとし、「制度として不安定な要素がある。日本の政治風土に合い、より多くの声が聞ける中選挙区制を検討する必要もある」と主張した。

 西村智奈美氏(立憲民主)は政権交代を目指す野党として、政党選択の色が強い小選挙区制自体には肯定的だ。一方、比例代表をうまく活用できていないと課題も挙げる。「小選挙区では生かされない票が多い。比例代表が並立しているという点を踏まえ、各政党が工夫すべきではないか」

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 2区は与党と野党で意見が分かれた。

 細田健一氏(自民)は「このままでよい」。25年間で政権が2度交代したことに加え「自民党の派閥の力も弱まり官邸、執行部主導の体制が定着してきた」とする。ただ、現行制度では新人が挑戦しにくいとし、県連レベルでの候補者の予備選挙も提案した。

 高倉栄氏(国民民主)は選挙区で死に票が多く、比例復活も分かりにくいとして、「変えるべきだ」と訴える。具体的には中選挙区制のように1選挙区から3人程度当選する仕組みを提案。「2項対立ではなく、多様化された声を拾う制度であるべきだ」と語った。

 平あや子氏(共産)は、第1党が4割程度の得票率で8割近い議席を占める現行制度に「根本的な欠陥がある」と痛烈に批判。政党助成金も政治の堕落を招いているとする。「小選挙区制を廃止し、比例代表制中心の制度に抜本改革すべきだ」とした。

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 3区は黒岩宇洋氏(立民)が「このままでよい」と回答。政党同士で政策を戦わせることによって、与野党が緊張感を保てるのが支持理由だ。ただ「比例復活制度は有権者に分かりにくく、消極的なアイデア」と問題点も指摘した。

 斎藤洋明氏(自民)は「変えるべきだ」。自身は2回連続で比例復活しているが、重複立候補のあり方を考え直す必要があるとする。「落選しても無制限に比例で当選できるのはどうかと、地元で厳しい声もあるからだ」と話した。