写っているのはなんだろうと想像しながら、まずは写真をご覧いただきたい。右上はドローン? 今にも飛び立ちそう。左上はまるで緑色のピラミッド、ここは一体どこ。
これらは新潟県内4カ所をヘリコプターで上空から撮影した写真だ。街並みや海、山といったスケールの大きな被写体を写したり、災害や事故など到達困難な現場を撮影したり、そんな場面で空撮は力を発揮する。
新聞社のカメラマンには空撮の機会があり、私も年に数回搭乗する。目的地までの行き帰り、ぼーっと外を眺めていると、ふいに「なんだこれ!?」と思うような景色に出くわすことがある。
パッチワークのような稲刈り後の田んぼ、8の字に見えるバイパスのインターチェンジ。上空ならではの見え方が面白い。
今回は普段の取材を離れ、肩の力を抜いて空から見て興味深い景色を探した。同僚カメラマンに聞き取りしたり、インターネット上で航空写真の地図を眺めたりして、撮影地を選んだ。
さて、この4枚は何を撮った写真なのか。地上から現地を訪れて確認だ。さぁ種明かしへ。
(長岡支社・新井田悠)
<種明かし>
「ドローン」は、飲み水をつくる重要施設
満願寺浄水場・沈殿池(新潟市秋葉区)

阿賀野川沿いの県道を外れて、頑丈なゲートを通り抜けると、白い円柱形の構造物がそびえていた。
まるでドローンのような建物は、新潟市秋葉区の満願寺浄水場の一角にあった。「プロペラ」に当たる四つの円は「沈殿池」という水道水をつくる施設で、円と円をつなぐ水色の部分が点検用の通路だ。中心の小さな円は処理前後の水の分集配を担っている。

満願寺浄水場は阿賀野川から取水し、まずゴミや砂を除去する。沈殿池では水中の細かな汚れを薬品の働きでくっつけ、固めて池の底に沈める。汚れを取った上澄みは「ろ過池」で砂と砂利でこされ、飲み水として完成する。
場長の平山保栄さん(57)は「沈殿池は目に見える大まかな濁りを取り除く重要な施設です」と解説する。
この沈殿池は高さ4・5メートル、直径は14・6メートル。1969年から82年にかけて順次建設された。沈殿池は四角形が多く、新潟市で円柱形を採用しているのは満願寺浄水場だけ。上空から円柱形の四つの沈殿池を眺めたため、ユニークな形に見えた。
沈殿池の表面は白いシートで覆われている。これは太陽の光を遮り、藻類の繁殖を防ぐため。冬期間は外されるという。
満願寺浄水場は毎日2万5千トンほどを24時間体制でつくり、秋葉区の水道水を一手に引き受けている。

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アオーレ長岡・アリーナ屋根(新潟県長岡市)

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