新潟国際情報大学の「ダイニングホール弥彦」の日替わりランチ「チキン南蛮(タルタル)」480円

 新型コロナウイルスが5類に移行し、大学生も“普通のキャンパスライフ”が送れるようになり、学業はもちろん、学食にも活気が戻ってきた。米を筆頭に、豊かな食が魅力の新潟県にある大学の学食事情はどうなっているのだろうか。

 県内八つの大学に聞き取りをしたところ、共通していたのは、学食は栄養面と経済面から学生を支えているということだ。その上で、各大学が工夫を凝らしたメニューや取り組みで、学生たちの食生活を盛り上げていた。

 20歳前後の若さの学生たちにとって、なんと言っても重要なのはボリュームとお手頃感だろう。

 新潟薬科大学(新潟市秋葉区)では、メニュー開発以来、現在まで変わらぬ人気を誇る「薬科丼」400円がその代表格。見た目は温玉がのった鶏そぼろ丼だが、食べ進むうちにご飯の中から、甘辛タレに通した野菜のかき揚げが顔を出してくる。長岡技術科学大学(新潟県長岡市)の学食で人気の、一枚肉を使った「メガチキン南蛮」380円も、食べ応えとコストパフォーマンスでは負けていない。

 東日本大震災後、日替わりの「ささえ愛定食」580円のうち50円を被災地への義援金などに充てている敬和学園大学(新潟県新発田市)や、スポーツに打ち込む学生向けにプロ選手並みに栄養管理された夕食メニューを提供する新潟経営大学(新潟県加茂市)など、個性的な取り組みも目を引いた。

 県外出身者が8割を占める長岡造形大学(長岡市)は、2022年春から学食でのサブスクリプションサービスを導入した。半期(5カ月)1万5000円で1日1食利用でき、フル活用すれば1食当たり約200円だ。

 いずれの大学も混雑時は学生優先だが、ほとんどが一般の利用も可能だという。メニューの充実度はもちろんのこと、リラックスして食を楽しめるよう工夫された居心地のいい空間も、魅力となっている。

 学生気分に戻って、新潟市の新潟国際情報大学と新潟大学、新潟県上越市の上越教育大学3大学の学食を利用してみた。...

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