買い物に行くことが困難な高齢者をスーパーに連れて行くために迎えにきた支援者=1月27日、柏崎市西長鳥
買い物に行くことが困難な高齢者をスーパーに連れて行くために迎えにきた支援者=1月27日、柏崎市西長鳥

 公共交通が不便な新潟県柏崎市の山あいの集落で、車がない高齢者の買い物や通院を住民同士で支える仕組みがある。柏崎市西長鳥の岩之入地区で2023年6月に始まった制度で、住民団体「なじらね」が仕組みをつくり、運営している。開始から半年がたって周知が進み、地域の高齢者に重要な交通手段になっている。

 1月下旬、岩之入地区で1人暮らしをする池田貴子さん(84)の自宅を近所の池田幸夫さん(56)が訪ね、「迎えに来たよ。後部座席も空いてるから、たくさん買い物できるよ」と声をかけた。雪がぱらぱらと降る中、2人は車に乗り込み、約10キロ先のスーパーに向かった。

 自家用車がなく、買い物にいくことが難しい池田貴子さんは月に1回、集落の支援者による送迎を申し込んでいる。池田さんは「地域で支えてもらって助かっている。車で送迎してもらえると、量もたくさん買えるのでありがたい」と感謝した。

 岩之入地区の人口は95人(2023年11月時点)で、このうち65歳以上が41人に上る。地区内に商店などはなく、地区外で買い物を...

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