工場の壁に残った7・13水害の痕跡を指さすJEJアステージの五十嵐豊さん。水の高さは1・3メートルに達した=三条市西本成寺2
工場の壁に残った7・13水害の痕跡を指さすJEJアステージの五十嵐豊さん。水の高さは1・3メートルに達した=三条市西本成寺2

 2004年に発生した7・13水害で、新潟県三条市の五十嵐川近くの工場に濁流が押し寄せて大型機械が水に漬かり、生産活動が停滞した。企業にとっては災害のリスクを見つめ直し、生産・物流体制を再考する契機となった。被害の最小化や早期復旧に向けた手順などを定めた事業継続計画(BCP)は一定程度浸透し、中小企業間で連携する動きもある。水害の教訓を生かし、万一に備えた取り組みを追った。(三条総局・武田裕朗)

 「側溝からあふれた水が広がり、工場は成人男性の胸の高さまで水が来た」。プラスチック製品製造のJEJアステージ(西本成寺2)の常務取締役製造本部長、五十嵐豊さん(61)の記憶は鮮明だ。クーラーボックスな...

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