教員に向け講演する曽我ひとみさん=8月19日、佐渡市羽茂本郷
教員に向け講演する曽我ひとみさん=8月19日、佐渡市羽茂本郷

 北朝鮮による拉致1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。被害者で新潟県佐渡市の曽我ひとみさん1978年8月12日、母のミヨシさん=失踪当時(46)=とともに北朝鮮に拉致された。2002年、ひとみさんは拉致されてから24年ぶりに帰国を果たしたが、ミヨシさんは日本に戻れないままでいる。ミヨシさんとの再会、帰国を願うひとみさんは署名活動や、佐渡市内の小中学校などで拉致問題を知ってもらうための講演を続けている。(65)が8月19日、佐渡市の南佐渡中学校で市内の教員に向けて講演した。曽我さんは北朝鮮朝鮮半島の北部にある国。正式名は朝鮮民主主義人民共和国で、通称が北朝鮮。首都は平壌。外務省によると人口は約2578万人(2020年、国連統計部)で、国土の広さは日本の3分の1ほど。朝鮮労働党の指導の下で国家活動を行うとされ、党の総書記は金正恩氏が務める。日本と外交関係(国交)はない。また日本との間に「拉致問題」が存在するが、北朝鮮は「解決済み」と主張している。での厳しい医療事情や、1978年に一緒に拉致された母ミヨシさん=失踪当時(46)=への思いを語り、「子どもたちに日常や家族の大切さを伝えてほしい」と訴えた。

 講演会は教員研修の一環として行われ、南佐渡地域の小中学校に勤務する約40人が参加。学校で曽我さんの講演を...

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