
開発中の新たな新大コシヒカリなどが栽培されている水田で、生育状況を確認する新潟大の三ツ井敏明特任教授(左)=新潟市北区
暑さに強い「新大コシヒカリ」(NU1号)を研究する新潟大学社会連携推進機構の三ツ井敏明特任教授(65)が、塩害にも強い新たな新大コシヒカリの開発に取り組んでいる。2023年の猛暑で阿賀野川を海水が逆流し、新潟市北区で一部の水田に塩害が発生した問題を受けて着手。食味の良さも追求し、5年後をめどに実用化して国内外での栽培につなげたい考えだ。
猛暑だった2023年、水位が低下した阿賀野川には海水が逆流。新潟市北区で川の水を入れていた田に塩分が入り、稲が枯死した。三ツ井教授によると、地球温暖化による海面の上昇や水不足により、塩害は各国で深刻化。耐塩性のある作物の研究が、世界的に盛んになっているという。
三ツ井教授はバングラデシュの留学生とともに2019年、水稲品種「ゆきん子舞」に塩害に強い遺伝子を取り入れることに成功。知見を踏まえ、耐塩性のあるコシヒカリの開発を始めた。
研究では、暑さに強い新大コシヒカリと、塩害に強い品種「Kaijin(カイジン)」を...
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