
手足口病に感染した幼児を診察する大塚岳人医師
例年は夏に流行する手足口病の流行が、2024年は秋になっても新潟県内で続いている。マイコプラズマ肺炎も、例年より大幅に増加。秋冬はインフルエンザや新型コロナウイルスなども流行する時期で、手洗いやうがいなど地道な対策が必要だ。
「痛いよ。抱っこして」。10月下旬、新潟市中央区の「おおつかこどもクリニック」で、6歳の男児が診察を受けていた。
手のひらや足の裏には小さな赤い発疹がいくつもある。歩くのが痛いと訴え、母親に抱かれて診察室に入った。「弟が先に感染し、次に夫で、今度はこの子。私もうつらないように気をつけているけど、時間の問題でしょうか」と母親(36)は話した。
クリニックの大塚岳人院長によると、2024年は6〜7月ごろに流行し、真夏に一度収束。9月から再び感染の波が来た。通常のピークは夏で、発症は乳幼児が多いが大人にも感染することがある。2回流行した理由は分からないという。
患者の訴える症状は、夏前は最初に発熱と口内炎が同時に出て、その後手足の発疹に至る例が多かった。現在は、発熱や口内炎がなく、手足だけに発疹が現れるケースが多いという。
手足口病の原因ウイルスはもともと複数の型があり、2024年の2回は、違うタイプの型が流行していると思われる。このため1シーズンで2回かかる可能性もある。
大塚院長は「周囲に手足口病の人がいたら、まずは手洗い、マスクなど基本的な感染対策をしてほしい」と説明する。ワクチンや治療薬はなく、感染した場合は熱があれば解熱鎮痛剤を出すといった対症療法となる。また、水ぶくれが傷つくと伝染性膿痂疹(のうかしん)(とびひ)になることがあり、注意が必要だ。
県によると、...
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