
2024年に新潟県警上越署管内(中郷区を除く上越市)で発生した特殊詐欺被害は14件、総額約5553万円で、前年の26件、約9825万円から大幅に減少したことが上越署のまとめ(暫定値)で分かった。一方で、新たな手口である交流サイト(SNS)型詐欺による被害額は約7000万円に上っており、上越署は「詐欺被害防止へ引き続き官民一体となって注意喚起に努めたい」と警戒している。
上越署管内は23年まで2年連続で特殊詐欺の被害件数、額ともに県内最多だった。これを受け、市は24年度、高齢者世帯を対象に通話録音装置の5年間の無償貸与を始めた。上越署はコンビニや金融機関への情報提供や通報の呼びかけなどの水際対策を強化。24年の未然防止は県内最多の23件に上った。
特殊詐欺被害は減少傾向にあるが、詐欺の手口は多様化している。24年の手口で最多だったのは架空料金請求の8件。次いでおれおれ詐欺、医療費などの還付金詐欺がそれぞれ3件だった。
架空料金請求は30〜70代の幅広い年代が被害に遭った。携帯電話などに電話があり、通信費などの未払い料金を請求され、電話口からの指示に従うままATMを操作し、だまし取られるケースが増加傾向にある。
おれおれ詐欺の被害者は3件のうち2件が30代で、上越市の30代女性が警察官らをかたる何者かに暗号資産計約3841万円をだまし取られる被害もあった。上越署生活安全課の本多和利課長は「おれおれ詐欺は高齢者だけが狙われる犯罪ではない。人ごとではなく自分ごととして捉えてほしい」と語る。
また、上越署は...
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