
改良を加えた筬で裂き織りを試作する人(左)を見守る加藤智津栄さん(右)と中堀至さん(中)=佐渡市上横山
縞(しま)や市松(いちまつ)模様など平面的な柄が一般的な佐渡の伝統的織物「裂き織り」で、波状の模様を表現する「よろけ織り」が可能になった。上横山で裂き織り工房を運営する加藤智津栄さん(78)の依頼で、戸中の大工、中堀至さん(75)が織機に付属する道具「筬(おさ)」に改良を加えた。加藤さんは「40年やってきたが平面しか織れないと思っていた。曲線が織れればバリエーションが広がる。織り手が減っている佐渡の裂き織りの活性化につながれば」と期待する。
裂き織りは使い古した布を細かく裂いて織り込んだ厚手の織物。裂き織りを含む佐渡の紡織文化は国の重要有形民俗文化財に指定されている。佐渡には、外海府などで普及した、床に座り、ベルトを巻いて腰を使い、横糸の目を詰める杼(ひ)という道具を使って織る「ねまり機(ばた)」と、国中などに多い、いすに座って織る「たち機」があり、それぞれ特徴があるという。
筬は、...
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