題目を唱えて練り歩く無宿人供養祭の参加者ら=20日、佐渡市相川地区
題目を唱えて練り歩く無宿人供養祭の参加者ら=20日、佐渡市相川地区

 江戸時代に過酷な鉱山労働に従事した無宿人の供養祭が20日、佐渡市相川地区の史跡佐渡金山周辺で行われた。「佐渡島(さど)の金山」が世界文化遺産に登録されて以降、初めての供養祭で、約50人が金山の繁栄を支えた先人の冥福を祈った。

 無宿人は飢饉(ききん)などで家や職を失うなどして無戸籍になった人たち。江戸や大阪、長崎から1800人余りが送り込まれ、金山坑内の水をくみ出す「水替(みずかえ)」と呼ばれる苛烈な労働を担った。

 供養祭は「無宿の墓」に近い瑞仙寺(相川中寺町)の住職の発案で1973年に始まった。以来、相川日蓮宗護法会が毎年4月に開き、今年で53回を迎えた。

 「道遊の割戸」を望む広場に集まった...

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