氷河や土砂にのみ込まれたスイス・ブラッテンの集落=6月(共同)
 氷河や土砂にのみ込まれたスイス・ブラッテンの集落=6月(共同)
 自宅や経営するホテルを失った住民のルーカス・カルバーマッテンさん=6月、スイス・ブラッテン近郊(共同)
 氷河崩落の被災者に向け、子どもたちが寄せた励ましの言葉やイラスト=1日、スイス・ブラッテン近郊(共同)
 スイス・ブラッテン

 スイス南部ブラッテンで5月、崩落した氷河が麓の集落をのみ込んだ。危険を事前に察知し避難したことで多くの人命は救われたが、温暖化が加速する中、同様の災禍に見舞われる危険性は世界各地で高まる。自然災害に伴う強制避難は増加しており、防災やリスク分析に向け専門家は崩落の詳しい原因究明を急ぐ。

 「喪失感の中で生きている」。地元住民のルーカス・カルバーマッテンさん(54)は氷河崩落により、家族の思い出が詰まった自宅だけでなく3世代にわたり経営していたホテルも失った。

 事前に避難要請があった時は「すぐに戻れるだろう」と思っていた。5月28日、900万立方メートルもの土石流がごう音とともに集落を襲った。ほぼ...

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