「レアアース大通り」と書かれた道路標識。奥はレアアース磁石大手「江西金力永磁科技」=7月、中国内モンゴル自治区包頭市(共同)
 「レアアース大通り」と書かれた道路標識。奥はレアアース磁石大手「江西金力永磁科技」=7月、中国内モンゴル自治区包頭市(共同)
 中国内モンゴル自治区包頭市内に掲げられた「世界のレアアースの都」の標語=7月(共同)
 中国・内モンゴル自治区包頭市、北京
 故トウ小平氏の言葉が大書された壁面=7月、中国内モンゴル自治区包頭市(共同)
 レアアース関連企業のビル(奥)の前に設けられた「世界のレアアースの都」の標語が書かれたオブジェ=7月、中国内モンゴル自治区包頭市(共同)

 中国北部の草原の小都市が世界を揺らしている。内モンゴル自治区包頭市には世界最大のレアアース(希土類)鉱山があり、最先端の関連産業も集積。米国との関税対立で中国がレアアース輸出を規制すると、日本の自動車工場まで混乱に陥った。サプライチェーン(供給網)支配の「切り札」として産業強化を図る現地の様子を探った。

 「世界のレアアースの都」―。北京から高速鉄道で約3時間。万里の長城を抜けてモンゴル高原にある包頭に着くと、誇らしげな標語が目に入ってきた。街中には「レアアース国際大酒店」や「永久磁石通り」といった名称があふれる。伝統的に軍需産業が盛んで、街の一角には旧式戦車が並んでいた。

 「産業のビタミン」...

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