参院選で大敗した首相の対応
 参院選で大敗した首相の対応
 混迷の夏政局

 石破茂首相は自民党内の「石破降ろし」が渦巻く中でも粘りを見せる。参院選直後の日米関税合意を花道とはせず、「着実な実行」を続投の大義名分に据えた。政治空白を避けたいとの思いとは裏腹に、先が見えない場当たり的な政権運営が嫌気され、足元の官邸ですら冷淡な反応が広がる。首相に対する遠心力は強まっている。

 ▽ぽつんと1人

 「改めるべきを改め、国家のために尽くしたい」。首相は1日、臨時国会召集日恒例の両院議員総会で続投への意欲を改めて訴えた。この後、通常なら参院選で応援を受けた議員らがあいさつの列をつくるのだが、出席者は「ぽつんと1人取り残されていた。求心力のなさを示す象徴的な光景だった」と明かした。

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