
ウクライナ・ルハンスク州ルハンスク、ロシア・ロストフ州
夕暮れ時に仕立屋の母が使うミシンの音を聞きながら、タクシー運転手の父の帰宅を待つのが習慣だった。「今も両親は大好き。でもロシア人として生きることに耐えられなかった」。ウクライナ東部ルハンスク出身の少年(18)は今年、プーチン大統領の支配から逃れるため、愛する親と故郷を捨て首都キーウに移住。戦争が引き裂いた親子の暮らしは戻らない。
ウクライナ東部紛争が起きた2014年、イワン・サランチャさんは7歳だった。親ロ派が自称した「人民共和国」が独立を宣言し戦闘が始まった。ウクライナ国旗はロシアや共和国の旗に。学校の教師は去り、新任のロシア語教師は授業そっちのけでウクライナ政府の「過ち」をあげつらった。...
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