
インタビューに答える石井幹子さん。国際的な実績を重ね、改めて実感するのは「ろうそくの明かりの美しさ」だという。
世界的照明デザイナーの石井幹子さんは、東京タワーや国宝・姫路城、パリのエッフェル塔などを美しくライトアップし、夜の闇に埋もれていた建物を“宝”に変えてきた。夜の町おこしの成果とこれからの課題について、半世紀以上にわたり世界の照明界をけん引してきた石井さんに話を聞いた。(小池真一=共同通信社)
▽照明デザイナーって何する人?
―ライトアップはすっかり日常の夜の光景になりました。
「1968年にデザイン事務所を設立して駆け出しだった頃は、本当に大変でした。『照明デザイナーって何する人?』と相手にもされない、そんな時代でした。社会の理解を広げようと札幌市時計台や京都・二条城など各地の歴史的建造物を...
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