荻野屋が現在販売する「峠の釜めし」
 荻野屋が現在販売する「峠の釜めし」
 荻野屋の1974年当時の「峠の釜めし」
 群馬県の横川駅のホームで「峠の釜めし」を販売する4代目社長の高見沢みねじ(左)=昭和40年代ごろ
 荻野屋の横川本店=群馬県安中市
 軽量容器に入った、荻野屋の「峠の釜めし」
 1978年ごろのドライブインの店舗=群馬県安中市

 「峠の釜めし」で知られる創業140年の弁当の老舗。明治時代の1885年、群馬県にある現JR横川駅で弁当や菓子を販売したのが始まり。(共同通信社=増井杏菜記者)

 昭和に入り「幕の内弁当」などを打ち出すが、山間の駅で乗降客も少なく販売不振に。現状を打破しようと1951年に4代目社長に就いた高見沢みねじが「特色ある駅弁」の開発を決意した。

 駅で旅客に意見を聞いて「温かくて家庭的なぬくもりがあり、見た目も楽しい弁当」にたどり着き、1958年に「峠の釜めし」を発売。保温のために栃木の「益子焼」の土釜を採用、秘伝のだしで炊いたご飯の上に鶏肉やタケノコなど9種の具材をのせた。弁当は冷たいという当時の常識を...

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