JAPEXの吉井ガス田。国内の天然ガス生産をけん引した歴史がある=柏崎市吉井
JAPEXの吉井ガス田。国内の天然ガス生産をけん引した歴史がある=柏崎市吉井
JAPEXの吉井ガス田。国内の天然ガス生産をけん引した歴史がある=柏崎市吉井

 新潟県の原油、天然ガスの生産量は全国1位で、中でも長岡、柏崎の両市にかけての一帯は、優良な油ガス田が並ぶ一大産地となっている。明治期には油田開発が本格化し、石油産業が発展する起点ともなった。以来、資源の少ない日本にあって、貴重な国産エネルギーの供給をけん引し、生活や経済活動を下支えしている。生産現場を訪ねるとともに、地下資源開発の歴史をたどった。(2回続きの1)

◆生産量なぜ多い?理由は地下の構造にあり

 石油・天然ガスの探査、採掘といった資源開発は明治以降、民間主体で活発化した。戦後は国主導で石油資源開発(JAPEX)が設立され、新潟県内の再調査を実施。帝国石油(現INPEX)などとともに、次々とガス田を開発した。

 新潟県によると、2022年の県内の天然ガス田は13カ所で、生産量は16億4779万立方メートル。国内の76・7%を占める。原油の油田は13カ所で27万5290キロリットル。国内の65・4%に当たる。

 特に中越地方の生産量は多く、天然ガスは県全体の8割を超える。内訳はINPEXの南長岡ガス田(長岡市)がトップの62・8%で、JAPEXの片貝ガス田(小千谷市)が20・0%、吉井ガス田(柏崎市)が3・0%となっている=表参照=。

 天然ガスの累計生産量が...

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